たとえば日本人の色に対する感性や、環境や雰囲気作りなど、中国や台湾が真似できない日本独自の感性の良さがあります。私は色彩と人間の心理状態の関係を研究していますが、日本人は単に赤といってもスケールの0から100までのグラデーションを感じとることができます。その一方で、中国人や台湾人には、色の感覚が乏しいのです。色に対する感性が鈍く繊細さに欠けるといえます。
ですからこうした欠点を補うために、私は、台湾では、幼稚園や小学校の教室にカラフルな絵を掲げることを提唱しています。幼い頃から人間の内部に感覚に刺激を与えて感性を磨くことが大切だと思っています。
今後は、日本人の色に対する感性の鋭さ、豊かな表現力も、工夫によって大きなビジネスになる可能性もあるのではないでしょうか。また、日本の食文化の輸出も、ひとつ大きな期待のできる産業ではないでしょうか。
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