塾員 in 台湾
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日本の学生についてはどのように思われますか。
― 私が慶應に在学中にも感じましたが、日本の学生は、教授の授業や指導はよく聞きます。この点は、台湾の学生より素直です。ただ最近の日本の若い人をみると、少々やる気がなくなっているのが気になります。
 日本のこれまでの歩みをみると、90年代に東南アジアとの貿易で儲けたお金を、日本国内に上手くフィードバックさせなかったのは残念だったと思います。

ただ日本には、世界に誇る文化があります。日本は貿易立国として発展してきましたが、工業先進国としての日本を卒業して、文化の輸出に力点を置いてはどうでしょうか。


たとえば日本人の色に対する感性や、環境や雰囲気作りなど、中国や台湾が真似できない日本独自の感性の良さがあります。私は色彩と人間の心理状態の関係を研究していますが、日本人は単に赤といってもスケールの0から100までのグラデーションを感じとることができます。その一方で、中国人や台湾人には、色の感覚が乏しいのです。色に対する感性が鈍く繊細さに欠けるといえます。

ですからこうした欠点を補うために、私は、台湾では、幼稚園や小学校の教室にカラフルな絵を掲げることを提唱しています。幼い頃から人間の内部に感覚に刺激を与えて感性を磨くことが大切だと思っています。

今後は、日本人の色に対する感性の鋭さ、豊かな表現力も、工夫によって大きなビジネスになる可能性もあるのではないでしょうか。また、日本の食文化の輸出も、ひとつ大きな期待のできる産業ではないでしょうか。


それは大変興味深いアイデアですね。今後は、どのようなことに取り組んでいこうとお考えですか。


ブロードバンド上で、「情報のマーケット」を作ることを考えています。現在、高速で行き交う情報コンテンツは、多くが対価を支払われることなく消費されています。コンテンツID、インフォメーションフローの付加価値などの課題に取り組んでいきたいと思っています。また、自分の経験を、多くの人と分かち合いたいので、講演活動も広く行っていきたいと思っています。

本日は有難うございました。


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