慶應での生活はいかがでしたか。
―最も思い出に残っているのは、ゼミの合宿です。
私は、当時の工学部長であった藤田広一先生の研究室に入りました。毎年夏に行われた蓼科での合宿では、仲間たちと勉強やスポーツに一生懸命に打ち込んだことが懐かしく思い出されます。
これは藤田先生が常々おっしゃっていたことで、今でも私が大切にしていることがあります。それは、「学術の研究をするには、”プロの精神”を身につけることが大切だ」ということです。
この”プロ”の意味は、自分の仕事の領域、専門の分野において、長い期間をかけていい記録を積み上げていくことをさしていると思います。そのためには、心と身体を1つにして、日々の生活において、全身全霊で取り組む姿勢が不可欠です。
仕事は仕事、プライベートはプライベート、と割り切るのではなく、生活をしながらも仕事のヒントを見つけようという姿勢が、いいアイデアを生む秘訣です。生活と仕事が一緒だと考えれば疲れません。これは私の実感です。
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