旧暦1月15日元宵節には、台湾各地でランタン祭が行われます。特に台北の中正紀念堂のランタン祭は有名で、日本人で行ったことがある方も多いことでしょう。
そのランタン祭りの中で一風変わったものが台北県平渓郷の「天灯祭」です。天灯とは紙製の灯篭で、中に火種をつけて熱気球と同じ原理で空に放ちます。日本人にはあまり知られていないお祭ですが、台湾では有名で毎年この時期には数万人の観光客が平渓を訪れ、一晩に何万という天灯が空に揚がります。大小さまざまな天灯がゆっくりと星粒になるまで夜空を昇って行く光景は幻想的で見る者を魅了します。数年前には渡辺真里奈が出演した台湾観光局のTV CMの舞台ともなりました。
天灯の由来は三国志の諸葛孔明まで遡ります。孔明が軍の通信手段として発明したとも、孔明の帽子に形が似ているからとも言われています。
台湾では、原住民の勢力範囲であった平渓付近に入植した漢人が原住民の来襲や避難解除を告げる通信手段として天灯を使ったのが発端と言われています。それが旧暦の元宵節であった為、毎年、旧暦1月15日に村人が天灯を上げて、平安と幸福を祈願したことから、「平安灯」・「祈福灯」とも呼ばれます。
天灯祭の会場に至る沿道には夜店が並び、お祭ムードを掻きたてます。もちろん天灯を売る店もあり、1つ150元前後で購入できます。天灯は折りたたみ式で組み立て方は簡単ですが、初めての場合はお店の人にお願いして組み立ててもらうのがよいでしょう。
天灯には願い事を筆で書いて、天の神様へ届けます。願い事は恋愛や事業成功、LOTO当選など何でもOK。昨年は呂副総統が特製の巨大天灯を揚げたそうですが、劣勢を逆転して総統戦に勝利した所を見るとご利益があったのかもしれません。神様は外国語もわかるので、日本語で書いても大丈夫だそうです。
会場へのアクセスはMRT木柵線動物園駅から専用バスで約30分。帰りのバスは特に込み合います。遅い時間帯には待ち時間が数時間となることもあるので、早めに会場へ行き、日暮れとともに天灯を揚げ、早めに帰ってくることをオススメします
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