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華百文具用品股份有限公司 
 総経理 風岡 泰之
 氏 
昭和53年/法学部法律学科


な~るほど・ザ・台湾 2007年9月号より

華百文具用品股份有限公司

筆記用具販売業界1位を誇る老舗ブランド

パイロットと台湾企業の合弁企業である「華百文具用品服份有限公司」(風岡泰之総経理)は、パイロット製品を扱って台湾で筆記用具販売のシェアナンバー1を誇る会社である。1昨年(2005年)赴任した風岡総経理は台湾ならではの営業方法、日本と好みが違うボールペン選びなどに戸惑いながらも、営業活動に全力投球している。


万年筆購入が縁で入社

 風岡総経理がパイロットに入社したのは、昭和53(1978)年のことである。大学4年で卒論を書くための万年筆を捜していて、文房具店で購入したのがパイロット製品だった。その後、就職活動のため万年筆と手帳を買ったが、これも気がついたら両方ともパイロット製。風岡総経理は、そのことに不思議な縁を感じて、パイロットに入社した。

 しかし入社後に配属されたのは、プリンターのインクリボンやカートリッジを販売するOAサプライズ部門。そこで20年近く営業を担当した。筆記具の世界に入ったのは、ようやく7年前。そして2005年7月に台湾に赴任したのである。

 華百文具用品服份有限公司は14年前に、パイロットが台湾の文具販売の老舗利百代と合弁して設立した。風岡さんは6代目の総経理である。パイロット製品は20年以上前から、この利百代が代理店として台湾で販売していたが、よりPILOT製品拡販のため、パイロット製品のみに絞った販売会社を設立することになった。

 同有限公司で扱っているパイロット製品は、日本で販売しているカテゴリーの40%ほど。筆記用具だけに絞った場合はその50%ほどしかない。ボールペン、シャープペン、シャープ芯、油性マーカー類、ホワイトボードマーカー、万年筆が主な商品である。日本で人気商品として販売しているものでも、台湾で当たるとは限らない。ボールペン、シャープペンなど文具に対する考え方も違う。

ブルー系インクが主力

 例えば、日本では比重が高いシャープペンは、台湾では小学校低学年までしか使われない。さらにボールペンの修正は、修正テープで消すのが主流である。中高生はゲルインクのボールペンの使用がもっとも多い。

 インクの好みも独特である。日本では副色のピンクは売れるが、こちらではさっぱり。日本では余り人気のない紫色系が結構売れる。日本では正式な書き物に使うのは黒色インクが定番だが、台湾ではブルーである。「それから低価格。修正テープの需要には私も驚きました。基本的に日本と同じ漢字圏でも大きく違いますね。こちらは漢字の画数もかなり多いですが」と風岡総経理。

 そのため、小さい文字でも潰さずに書ける細書きボールペン「ハイテックC」シリーズが台湾ではメイン商品である。特に教科書等に書き込むことが多い学生には、絶大な人気。

 先端のボール径は0.25~0.4ミリが主流。台湾ではこの細書き商品が圧倒的。この10年間のロングセラーである。

 営業活動でも、台湾ならではのものがある。卸問屋の数の多さである。日本では10指に足らないのだが、台湾では150以上もの卸問屋がひしめき合っている。しかもその中には小売店も経営している卸問屋もあって、卸問屋との交渉は極めて複雑で重要である。特に南部では酒を酌み交わせて人間的な付き合いが営業に求められる土壌があり、これを欠かすことができない。

欠かせない酒の付き合い

かつては「この酒を一杯飲めば、100万元の注文を出す」と言われて、本当にそうなったという話があるぐらいである。風岡総経理は「卸問屋の老闆(社長)と食事をしたり、飲んだりするのがとても大切です。全体の3分の2弱の問屋の老闆とお付き合いがあります」と話している。つまり100件近くの問屋と日常的に、お酒の付き合いもしなければならない訳である。酒好きはいいが、下戸には辛い。

 台湾の卸問屋にとっての勝負どころは、新商品が発売される時である。各卸問屋は一刻でも早く小売店に配送しなければならない。他の問屋に遅れをとったら、極めてまずい事態になる。そのため同有限公司では配送に細心の注意を払っている。

 数年前には、新商品の配送が遅れたため、卸問屋からクレームがあったことがある。こんな時、ものを言うのが、日頃からの老闆との付き合いである。「実は私は台湾に来るまでは、ほとんど酒が飲めなかったのです。ビールを2杯飲むだけでダウンです。でも半年でどうにか馴染みました。お蔭様で今は鍛えられましたよ」と風岡総経理は笑う。日本では毎月、新商品が発売されているが、台湾では年間3-4アイテムほど。今年は9月から3ヶ月続けて発表している。

同有限公司に日本人は風岡総経理だけ。中国語学習を続けているが、今ひとつだという。しかしスタッフはベテラン揃い。日本語ができる人も多い。会社創立以来勤務している人や10年組みもざら。新しい人でも勤続4年とあって、他の日系企業のように人材が定着しないことで悩むことはないという。

そんなスタッフがいるからこそ、安心して営業活動に専念できるのである。■ 

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華百文具用品股份有限公司
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  風岡さんより会員の皆さんへ一言
初めての海外赴任地である台湾に来てはや2年9ヶ月。台湾三田会を通じて多く の 方々と知り合い 仕事に、遊びにと充実した台湾生活送っています。最近は、帰任される方が多く て、 寂しい限りですが 日本での台湾三田会支部も立ち上がっており、心強いですね。 それから、慶早ゴルフは、主力選手の相次ぐ帰任で厳しい状況ですが、一致団結 、次 の10連覇目指して がんばりましょう。